どうもです。
実は買ってました。初のフルサイズ。NikonのZ6。
去年の6月なんですけど。
公開せずに黙ってようとも思ってたんですけど、黙ったままじゃ良さを広めることもできないよなぁってことで。
1年弱使ってみてどうだったのとかそういうのを作例と一緒にぶちまけようかなと思った次第です。
買うかどうか迷っている人ならおおよそ先駆の方々のあれやこれやを各所レビュー記事やブログなんかで見たりしてると思うので、性能を羅列してここがどうだのみたいなのは割愛します。あくまで作例を羅列する感じです。作例いっぱい上げてるのあんまり見なかったので需要あるかなって。知らんけど。
操作面はぶっちゃけ慣れの部分もありますし、グリップの握り心地なんて個人差ありまくりだと思うのでそっちも割愛します。家電量販店とかで置いてるやつを触ってみるのが一番いいと思います。コ〇ナ野郎には気を付けてね。
レンズは一緒に買ったNIKKOR Z 50mm f/1.8 S。注釈が無い限りは撮って出しになります。
レンズに関して先に一言言っておくとすると、これからZマウントのカメラを買おうと思っている皆さんは絶対に買った方がいいと赤色大文字で表現するぐらいには買った方がいいレンズです。いやマジで。
Z 50mm f/1.2 Sを買う気なら話は別です。こっちもこっちで大概やべーんですが、それはまた今度。
どっちを買っても正直後悔はしないと思います。コスパ面で見ると出す絵に対してZ 50mm f/1.8 Sは破格。コスパ最強。これ以外勝たん。f/1.2もいらんし…とか高すぎて手が出んわ…って人はこっちを買うべきだと思います。
では買った直後、2020年7月に北海道へ行った回から順に貼りつつカメラとレンズの所感を…と言っても、あくまで趣味で写真を撮る人間目線の話になります。
ところどころに感想文みたいなのを入れてますが、要約すると『作例を見て感じてくれ』を長文化したようなものなのであんまり気にしないでください。
2020/07 北海道
私はZ6を買う以前はOLYMPUSのE-M1 MarkIIをメインに使っていました。マイクロフォーサーズですね。まぁ動画機として今でもバリバリ使ってるんですけど。
マイクロフォーサーズはフルサイズに比べて四分の一しかセンサーサイズがありません。
よく「マイクロフォーサーズセンサーでもフルサイズに匹敵!」「小型軽量で差を付けろ!」なんてセリフが並んでたりしますし、Z6を買う以前は別にM4/3でもいいでしょwとか思ってたんですが、その考えは良くも悪くも覆されました。
まずはボケ方。これはレンズの性能によるものも大きいと思いますが、フルサイズのF1.8は凄い。凄いに重ねてZ 50mm f/1.8 Sは開放から十分すぎる描写性能を発揮します。ある意味凶悪。ちなみにほとんど開放でしか撮ってません。ボケるし十分描いてるし楽しいし。
そしてM4/3とフルサイズでどうしても埋められないなと思った差がダイナミックレンジの差です。
例えばこのカットをM4/3で撮ると右のほうがもっと黒潰れして見えなかったと思うし、そっちを見えるようにすると今度は光が当たっている部分が白飛びして見えなくなる。
この『人の目で見たときのような光の差し込み方』を忠実に出してくれるのは写真を撮るうえで重要な気がします。
そしてこの逆行耐性。カメラレビューというよりはレンズレビューになってますね。まぁいいか。
開放で夏の夕日を正面から受けてもこの余裕さ。何がすごいって目につくようなフリンジが無いんですよね。
白と黒ではっきりしている留め具と左の柱にある蜘蛛の巣を拡大。
これが7万円弱で買えるんですよ?買うでしょ。
お気付きの方もいるかもしれませんが、『さびれたせかい』の取材段階から導入してました。ジンバルにE-M1 MarkIIをのっけたままZ6で写真が撮れるのでめちゃくちゃ捗りました。
2020/08 高輪ゲートウェイ駅
開業前のプレスとか開業後の各位のツイートやらをみて行ってみたかった場所です。開けた木目調のプラットホームにガラス張りの壁や屋根から日が差し込んでとても開放感があります。
1枚目の駅名標のカットが一番お気に入りです。やさしく差し込む光が何とも言えない。光と影を的確に捉えて映し出す、Z6とZ 50mm f/1.8の""強さ""に気付き始めた時期です。
2020/09 北海道
フルサイズで写真撮ってる時に一番楽しいのがこの日暮れから真っ暗になる時間だと思っています。微かに残った太陽の明るさと夜の静けさを併せ持ったような時間。
一番のお気には最後のカットです。こんな感じですごくない?みたいなのを書こうとしましたが語彙力が足りなかったので見て感じてください。撮って出しでこれが出るのでマジで写真上手くなった気になれます。
こいつ毎秒北海道行ってね?
日高本線の鵡川~様似間も正式に廃止が決定しましたね。大狩部のあたりも大概ですがこの日高幌別のあたりの海岸線も大概な気がします。ここを汽車が走ってる絵を1枚でもいいから撮りたかったです。もう叶わないんですけどね。
写真の話をしましょう。海岸のカット、8枚目の左端を切り取っています。
このあたりはどれがバラストなんだかわからないぐらいの砂利地で前ボケが諄くならないかと思いましたがどうでしょうか。僕はそんなにやかましくはないなぁと思いました。ピント面の奥の線路から手前にかけてもなだらかに見えますし、素人目ですが悪いようには思いません。
札幌に泊まるといつも夜行くラーメン屋さんがあります。えびそば一幻っていうまぁ有名な店です。市電で行って麺を食べて宿まで写真撮りながら帰るのが一つの恒例行事みたいになりつつあります。
レアな看板らしい
2020/09 金沢・長野
写真メインで行ったわけではないので少なめですが。1枚目の立体感すごくないですか?
開放から使えるのでじゃんじゃん開放で撮っています。多分9割近く開放でしか撮ってません。十分すぎる描き方なのでF1.8で困ったことは無いですし、無理やりF1.2やF1.4のレンズにしていざ撮るとき絞ってF1.8で使うぐらいなら最初からF1.8で最高の性能を出せるようにした方がいいよねって話なんでしょうか。知らんけど。
2020/10 秋田・青森
東能代行き快速ワンマンカーをしにいった回です。2日目はほぼ乗ってるだけだったので写真はあんまりありません。
よく話に上がる周辺減光ですが、僕は逆に雰囲気出ていいかなって思ってる派なので例え7枚目みたいになってても絞りません。絞って後ろの海を描くよりは、開けて海をぼかした方が『何を撮りたいのか』がわかりやすくなるのではと思いました。周辺減光もまたその一つで、撮りたいものに目を向けさせるという意味では殺すよりも生かす方が楽しい気がします。
2020/11 南町田グランベリーパーク Adobe Lightroom Classicにて現像
高輪ゲートウェイに行ったのでこっちも行ってみたいと思っていた駅です。駅直結の商業施設への玄関口という意味ではある意味高輪ゲートウェイと同じかもしれません。
改札を出たらもうショッピングモールが開始されているもんですから、テーマパークに来たような感覚でした。
最近の建築らしくガラスを多用、電車の色に合わせてワンポイント入ってるのもいいですね。
こちらはガッツリLightroomで現像しています。素がいいと撮って出しだけでなくこういう抽象的な現像ができるのも楽しみ方ですよね。
ここでもやはり光をそのまま映し出す、ある種透明な絵を出されたのでそれを崩さないように意識しています。最後のカットがお気に入りです。
2020/12 吉野
何を思ったのか年末に吉野に行きました。しかも昼から。
雪だったしバスは冬期運休だったしで徒歩です。駅前の柿の葉寿司を帰りに買おうと思って展望台に向かい、駅に戻ったのが17時ごろだったんですがもう既にすべて店仕舞いしていました。奈良時間こわい。
こちらはカスタムピクチャーコントロールで作成したプリセットで撮っています。なので撮って出しがこれです。後で現像する手間がいりません。なんて便利。
このカスタムピクチャーコントロール、最近のNikonの機種ならだいたいできるみたいですね。いろいろ触れるのでだいぶ楽しいです。
2021/02 中国・山陰
書くことが無くなってきました。もう作例を見て感じてくださいとしか言えません。
まとめ
ほとんどレンズのレビューみたいですね。あながち間違っては無いんですけど。
Z6というボディについて最後に少しだけ。とはいっても先述の通り操作面はぶっちゃけ慣れの部分もありますし、グリップの握り心地なんて個人差ありまくりだと思うのでそれらは割愛します。
ここまでの写真を見てくださったらなんとなくわかるかと思いますが、僕は人を撮りません。なので『風景や鉄道写真を撮る上でのZ6』というボディについての話になります。
よく言われているのがAFでしょうか。たまにAFが残念…みたいなツイートや記事を目にします。実際に使ってみた感想ですが、僕が鉄道写真を撮る上でZ6を使用してAFが遅いと感じたり追従ができないと感じたことは一切ありません。
ちゃんと電車の顔追尾するし、暗所でも土砂降りの中や一面真っ白な霧の中でもちゃんとピントを合わせてくれます。
あくまで今回はZ6とZ 50mm f/1.8 Sの組み合わせでの話なので電車撮る話はそんなに詰めませんが、買おうか迷う理由がAFの速さなら大丈夫です。問題ありません。
発色は好み分かれそうですね。僕は好きです。撮って出しとして上げてるものはデフォルトであるVividからコントラストを-3にしてるものです。デフォルトだとちょっとコントラストキツすぎかなって思ったので下げています。暗所でノイズが出そうなもんですが、そんなに気になったことはありません。
Z7は使ったことないので何とも言えませんが、Z6はローキーな写真がいい感じに出るなぁと思いました。アンダー気味。ちょい暗め。
それこそ直近の鳥取砂丘のカットなんかが顕著で、光と影、明暗がまさに『目で見たまま』に絵になっていて撮ってて鳥肌立ちました。ほんとに写真上手くなった気になれます。
繰り返しますが、デフォルトのVividからコントラストを-3にしただけの設定なのでだれでも撮れます。
開放から使えて光を忠実に取り込むレンズ、そして取り込まれた光をそのまま映し出し目で見たままのような絵を出すボディ。
え、無敵では?
フルサイズはデカくて持ち運べない。というデメリットはミラーレスとなり消えたように思います。
個人の感想にはなりますが、ダイヤルを回す感覚、ボタン配置、グリップの握りやすさ、どれも手に馴染んでまるでカメラなんて持って無いのではとさえ思えるほどです。
割愛するといっておいて書いてしまった。
レンズも新設計され、Z 50mm f/1.8 Sを初めとしたZのレンズはコンパクトさと性能を両立してしまったバケモン揃いです。
『光をそのまま映し出す、ある種透明な絵』と書きました。あるものをあるがままに映し出す。それって簡単なように見えて難しいことなのではないでしょうか。
最近のレンズはどれもこの『透明感』を突き詰めているような気がします。
クセを無くし、あるものをあるがままに。光を忠実に。
そういう意味だとこのZ 50mm f/1.8 Sは、Zのレンズ軍の捉える光は一つの『正解』なのかもしれません。
Zのレンズを使うためにZのボディを買う。という選択が出てくるのではというほど目を見張るものばかりです。
この世に『完璧なカメラ』はありません。探せば粗はいくらでも出てくるでしょう。
小型軽量で6000万画素レベルでISO25600まで常用できてメカシャッターで秒間20コマ切れてバッファ切れも無くて縦グリが付けれて電池持ちがよくてEVFが綺麗で発色が忠実でUIが完璧でボタン配置やグリップの握り具合が全人類口を揃えて良いという。
そんなもの作れるはずもありません。
どこかで妥協しないといけない面があります。僕の場合、Z6を選ぶ時の妥協は縦グリでした。
でも冷静に考えたらジンバルに載せたりするし別にいらんなってなりました。
AFも困らないしレンズもバケモン揃いでした。あれ?無敵では?
電車撮らないなら、普段どこかへ出かけたりするときはZ6とZ 50mm f/1.8 Sだけでいいんじゃないかと思いました。
十分明るいし、撮ってて楽しいし、持ち運びも苦になりません。
そう思っていた僕はZ 50mm f/1.2 Sを買いました。
『人類が70年近くかけて解いた宿題がこれです。』とまで言われては*1気になってしまうでしょう。Z 50mm f/1.8 Sがこのクオリティなのですから、その上を出されたら気になって夜しか眠れません。
結局人は上を見てみたくなるものです。
結論だけ言うと、「Z 50mm f/1.8 Sも凄いけどZ 50mm f/1.2 Sは別次元だった」です。
話が逸れてしまいました。
拙い文を並べるよりは拙い作例で殴った方が説得力が出るかなと思っていましたが結局文も書いてしまいました。
一つ言えることは、僕はこのカメラを買って、このレンズを買って、初めてカメラでシャッターを切った時のような高揚を覚えました。
写真を撮ることの楽しさ。絵にすることの楽しさ。
必要なのは、自分に合った相棒。
その相棒候補にZ6やZマウントのカメラが含まれているのであれば、僕は強くオススメします。
あとやっぱり写真撮るならフルサイズだなって思いました。
では
*1:ニコン開発者インタビュー - NIKKOR Z 50mm f/1.2 S | フォトヨドバシ http://photo.yodobashi.com/live/interview_nikon2020/