どうもです。
投稿しました。北条鉄道です。キハ40です。エモです。
動画が投稿されたということはオタク特有の早口が始まるということです。
今回初の試みが2つあって、一つは4K60pで撮影をしました。そのせいで動画は103本しか無いのに136GBになっています。バカ?
というのも、最近は動画をSIRUI 50mm T2.9 1.6Xというアナモルフィックレンズで撮っているんですが、これが等倍にするためには横に1.6倍しないといけなくて、1080pだとどうしても粗が目立つなと思ってしまったんですよね。
だったら4K60pにすりゃいいじゃん。Z7IIだし。撮れるし。という短絡的思考で4Kに。あと流石に4Kで撮ったものを横に1.6倍する気は起きなかったので、縦幅を変えて実質横に1.6倍ということにしています。拡張ではなく圧縮なのでそんなに荒は出ないかなというアレです。
スローにしたりしたかったので投稿は24pになっています。
もう一つはまぁ上記の通り4K60pに手を出してしまったので、AviUtlじゃ到底編集なんてできず。重すぎるしそもそもUtlは4Kを編集するようなソフトではない。
というわけで、Adobe税を追加してPremiere Proに手を出しました。
正直これに慣れるのが一番大変だった。プロジェクトファイルを作るのに1日費やし、引き延ばしをするのに1日費やし…と調べたりして勉強しながらの編集になりました。
新しいソフトに手を出すのが久しぶりだったので面白くはありましたが、Utlのような「やりたいことをできるようにプラグインを追加する」ではなく「すでにあるプラグインからやりたいことができるものを探す」という作業なのでめんどいことめんどいこと。無数にあるので探すだけでも一苦労ですし、掘ったら無限によさげなの出てきそうで困っちゃいます。
もともとそんなにがっつり編集するようなものにする気はなかったので、簡単なスライドショーが作れたらいいやぐらいの感じだったんですが、簡単なスライドショーを作れるようになるまでに時間がかかってしまいました。本末転倒かもしれん。
今後4K60pで動画を撮るかどうかはわかりませんが、がっつり編集しないローカル線の動画なんかはこれでやってもいいかもしれませんね。グレーティングに関しては間違いなくUtlよりもPrの方が良いですし。
初挑戦が比較的多い動画になりましたが、メインは動画素材。
スクショを貼ってこだわりポイントを語っていくやつを始めましょう。
コンセプトを決める
まずはこれから始めました。原曲探しとも言う。
コンセプト自体はもうローカル線を上手く表現するにはこれしかないだろということで、スライドショーに。
コンセプトが決まれば次はそれに合った原曲探しなんですが、ぶっちゃけ原曲探しが一番時間がかかります。原曲から素材を決めたらすんなりいくのに、逆になると途端に時間がかかる現象、ありませんか?
夏にキハ40 535の貸切に参加させていただいたこともあり、路線の雰囲気についてはなんとなく把握していました。しかしまぁ無いこと無いこと。
タイトルにもこだわりたい派なので、良い感じのは無いかなと探していた時に見つけたのがこのSecond fallでした。
フォールオブフォールは秋めく滝。
second runはrunをどう訳すかで変わってきそうですが、ここでは第二の走行みたいな意味合いで捉えています。
そんな二曲のアレンジで、Second fall。
遠く東北から播磨へ来て、五能線の全長の1/10以下、13.6kmのローカル線で送る老後。
二度目の秋。二度目の人生。セカンドライフ。
これしか無い。
導入された瞬間から撮り始めたかったんですが、こういうのはちょっと落ち着いて地元に馴染んて来たぐらいで撮るのが最も絵になるかなと思い、この時期に。
冬でも雪のない、比較的温暖なこの地のこの時期に東北出身の車両を撮れば、遠く離れた違う場所で老後生活送ってる感じがでるかな~なんて。
これまで過ごしてきた所とは違う感じを出すには、これが一番な気がしています。
代償として絵が寂しくなりがちなんですが、そこはまぁ、それも雰囲気ということで。
ということで、粟生駅の入線から。
折り返しを待つ1両のヨンマル。
北条の駅名標、良いですよね。
粟生駅は、ちょうど北条鉄道が出発するぐらいの時間になるととても騒がしくなります。
地方のターミナル駅によくある光景なんですけど、これがめちゃくちゃ好きなんですよね。さっきまでの静けさとは打って変わった騒がしさ。乗り換えの方面の多さも良いです。
JRと神鉄と北条の文字のある粟生駅舎。22年でJRの改札が無人化されたので、3路線とも無人駅になりました。
乗り換え客を詰めて発車です。
サムネのところ。
五能線のやつと対比になっているのがこのカットだったのでここを採用しました。もっと寄せたカットを撮ってもよかったかもな~とか思いつつも、あんまり寄せすぎてもなってことで。ちなみにこの北条が動画メインなのも五能線との対比だったりします。向こうは写真メインだったので。
網引駅すぐの踏切から。4mの棒を伸ばして撮っています。お手軽高所撮影。
なるべくそのままにされて走っているので、秋アキの文字も残っています。素晴らしいですよね。
粟生~網引駅。森のトンネルを抜けてきます。
これは流石に50mm T2.9 x1.6では撮れなかったので、SIGMAの135mm F1.8 Artで撮っています。絞り開放軍なので絞りは開放です。開放でもちゃんと顔に追従してくれるZ7IIのAF精度に感謝感激です。
網引駅。冬以外ならもうちょっと彩りがあるんだろうなぁとか思った方、それはぜひ動画ではなくご自身の目で。
個人的にこの五能線色がとてもとても大好きで、男鹿線色が小湊へ行ったときはなんとかこの五能線色も残らないものかと思っていた矢先に北条鉄道へ入るという話を聞いて飛んで喜んだ記憶があります。
消化不良感があった五能線のやり直しができる。そう分かっただけでどれだけやる気になったことか。
網引駅。駅前にクソデカい銀杏の木があります。秋になるとめちゃくちゃ綺麗です。列車と合わせても撮れるので是非。
「bound for hojomachi」の部分をどうするか迷って入れたカットです。
留置されているフラワ号とヨンマル、列車を待つ人々。待機する駅員。良い。
田原駅。駅を挟んで田んぼと住宅街が分かれており、これは田んぼ側から135mmで抜いています。
後ろに見える住宅街とそこへ滑り込むヨンマル。良いですよね。
サビ前は入れたいカット入れまくりゾーンです。
こちらは播磨下里~長間。沿線の神社から。
動画ならではなカットなので静止画にすると微妙ですね。
長~播磨横田。いい感じ踏切です。
網引駅すぐのところから。こちらも4mの棒を伸ばしています。夕日をバックに。
法華口~播磨下里。田んぼの中を駆け抜けます。
法華口~播磨下里。上と同じ場所です。
法華口でドアップ。写真撮ったついでにNIKKOR 300mm f/2.8 VRIIで。
ほんとにこの色好きなんですよね。拾ってくれた北条鉄道には本当に感謝です。ありがとうございます。
田原駅。日の出前に。早起きは三文の得です。
長駅すぐの踏切。とまれみよ
サビへ入って法華口駅。北条鉄道でのみ運用されている票券指令閉塞式の設備を作る都合、旧ホーム後の残る従来の場所にはホームが作れなかったようで上下ともに新しく作られています。
これで従来の駅舎を潰さなかったの偉すぎる。
法華口駅はちょうど真ん中ぐらいに当たります。米粉と地元食材を使った米粉パンを作っているベーカリーが入っています。美味しいです。
運転台側に閉塞の関連設備があるため、右側の線路に侵入。駅舎とホームから離れつつ入線する絵はなかなか見慣れない光景です。
法華口駅舎内から回収要素のひとつ目。「かつて悲しい別れの駅だった」です。
ちょっとシビアな話なので深く追及することはやめておきますが、悲しい別れの駅だっただけで終わらせてしまっては勿体ない気もします。
しかしながら、「かつて法華口駅は悲しい別れの駅だった」ということは、間違いなく忘れてはならない大切なことだと思います。
滑走路跡にはsoraかさいという施設が出来ています。
原寸大の紫電改と九七式艦上攻撃機を実物大模型で見ることができる日本国内唯一の施設だそうです。中身について多くは語りません。ただ、時間があれば行ってみてほしいなと思います。何を感じるかはあなた次第。
ここから3駅はこのいい感じ駅名標が残っています。
播磨下里駅。法華口駅、長駅と合わせて大正時代に建てられた駅舎です。
既にこの看板から良いですね。
もちろんあります。いい感じ駅名標。
書き換えられた跡があるのも良いです。
ヨンマル仕様の駅ノートもあります。沿線全体が盛り上がってる感じがして良いです。
回収要素その2、有志によって作られた石庭にある詩です。
「歴史は古き下の里 見守り続ける善防の山」から「歴史は古き下の里」。
近くに善防山があり、ハイキングコースになっています。
時刻表。朝に1時間2本走れるようになったのは法華口駅の交換設備が出来たからで、交換設備が出来て車両が足りなくなったからキハ40 535が北条鉄道へ来たんですよね。そう考えるとまず交換設備を作ったことに感謝するべきなのでしょうか。
大正時代に作られた駅舎と。こちらも4mの棒で。
ほんとにキハが似合う沿線ですよね。撮っててつくづく思います。
山とヨンマル、地図の「善防山」の文字をワンカットに。
津軽では岩木山に見守られて走っていたヨンマルが、ここでは善防山に見守られて走っている。
岩木山のようなパット見のインパクトは無くとも、この地域にとって善防山が持つものは津軽の岩木山と変わらないようにも思います。それは上記の詩が物語っているのではないでしょうか。知らんけど。
動画を作るなら絶対にやりたかったカットのひとつです。
余談ですが、車で北条鉄道沿線を回っているとよく「善防」という交差点を通ります。
県道43号と国道372号のT字路の交差点なんですが、372号を東から西に走っていて43号に右折しようとすると交通量が多くてなかなか曲がれない上に右折レーンもないので高確率で死に目を見ます。
道幅を広げろとはいわないのでせめて右折レーンを作るか時差式にするかだけでも…どうか…
長駅です。駅前の公衆電話が良い味を出しています。
良い感じ駅名標。冬の時期は夜になるとイルミネーションが点灯します。
古いものを古いままにするのも良いですが、こうしてなにか手が加えられているとまだこの駅が駅として生きている感じがして良いですよね。
左の木は桜の木です。
春になるともっと良い感じになります。
回収要素その3、貼ってあった新聞から「亡き親友と夢見た光景」です。
Web版のアーカイブがありましたので是非。
現地へ行って読んでみるのも良いかもしれません。この一連の『キハでGO!~東北から北条鉄道へ』という連載はこの地域がキハ40 535にかけた思いなんかが語られていてとても良いです。
これを読んだ時から何かしら要素として組み込めないかと思っていたところ、長駅に貼られておりました。
実際人気が出ているので、この方の読みは大当たりだったでしょう。
様々な想いの重みが随所に感じられます。
クリスマスの飾り付けと手荷物・小荷物取扱所の看板のミスマッチ感が「まだ生きている駅」感を出してくれています。
小さな気遣いも。
ただレトロな駅という訳では無い。大正時代に建てられた駅舎が、今この令和を生きている。
それは地域の人に愛され、また様々な思いを持たれ、あるべき駅としての姿を持っている。
北条鉄道全体を通して、そんな景色が広がっているように感じました。
シンプルに横からのカット。長駅を出たすぐの所です。
正月の飾り付けもされていました。
間違いなくこの駅は生きています。
様々な人が、様々な想いを寄せて。
北条線で唯一国鉄になってから出来た駅で、元は駅舎が無かった駅だったんですが、2014年にギャラリー兼駅舎として建てられたそう。
田畑に囲まれた場所にあり、開けた景色が広がっています。
空がとても広いです。
北条町駅へ入線。この辺りは加西市の中心部ともなっており、姫路を中心に大阪・三宮なんかへもバスで抜けられます。正直バスでここへ来た方がアクセスは良いです。
北条鉄道で唯一の有人駅なんですが、国鉄時代からの名残なのかここから粟生行きが上り列車、北条町行きが下り列車。起点も粟生駅になっています。地方私鉄の終点駅感が漂う駅です。
徐に出てきたこのカット。
弘前駅で撮った五能線快速の写真なんですけど、お気付きになった方はいますかね。
そう、これ535なんです。
東能代行き快速ワンマンカーをしに青森へ行って乗った列車が北条へ来たんですよね。流石に運命感じちゃいました。
同じような構図で北条町入線。エンド違いは許して。
弘前とは駅の大きさも気候も何もかも違う駅ですが、同じ塗装、同じ車両です。
8月頃に貸切に参加させていただいた時の写真です。今では普通の吊り下げ広告になっています。
車内はJR東日本時代ほぼそのままで、路線図なんかも青森地区のものでした。車内の動画にしなかったのは、あくまでも北条線を走るキハ40 535の絵を主体としたかったからなので、この辺りは是非訪れて見てみてください。
新しいまち、新しい出会い。
42歳から始まったセカンドライフを彼は楽しめているでしょうか。
降車のカットで〆。粟生駅は入線→ドア閉だったので、こちらは到着→ドア開で。
ここだけ見るとここがどこだかわからなくなりそうですね。
おわり
おわりです。如何でしたでしょうか。
動画の方は概ね好評のようで良かったです。
わかりやすいカッコイイ動画でも無いですし伸びるような動画でも無いなと思っているんですが、こういうのでいいんですよ。ローカル線の動画なんて。
見た人が1人でも訪れるキッカケになれば何よりです。
応援は、年一度の、乗車から。
北条鉄道の各地に掲げられているものです。
少しでも良いなと思ったら、難しいかもしれませんが乗ってみてください。
津軽時代の思い出に耽るもよし。
この地の歴史へ触れるもよし。
山に見守られた播磨盆地の景色を見るもよし。
生きているレトロな駅へ触れるもよし。
何にも終われず、ただキハに揺られてもよし。
まだ、間に合います。
いや、まだまだ間に合います。
この地での彼の活躍は、始まったばかりですから。
では。