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ういめも

旅記 : ある街での、ある夕方のこと

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その日は珍しく夕方に着いていた。

いつもは終電か夜も遅い時間なのに。

 

これといった目的地も決めずに家を出た。

本当の意味で行き当たりばったりの旅だ。

 

こういう旅をしていると毎晩宿に困る。

今日も案の定、駅前の宿は全滅しているよう。

明日やることも決まってないし、宿から決めた方が良さそうだった。

 

 

 

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駅から2キロ弱離れた宿を取った。

寝不足から着いたらすぐにでも寝てしまいたかったが、まだ晩飯も食べていないし晩飯の時間でもない。それに今寝たら微妙な時間に起きて終わる未来が見える。

 

荷物を置いて街に出ることにした。

もちろん行く宛ては無い。

ポケットにはX100V。これがあれば十分だ。

 

 

 

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目に付いた高い建物があった。調べてみると上に登れて街が一望出来るらしい。

入場料もかからないみたいなので、行ってみることにした。

 

 

 

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展望台からは夕暮れの街を一望することが出来た。

これならZ7IIを持ってきても良かったな。

またの機会にすることで、また訪れる理由を作った。

 

 

 

「また来よう」

それを作らなければ、生きている理由も無い。

中長期的な目的も無く、目先のことを済ましているだけ。

強いて言うなら、旅をしている内に散らばった、「また来よう」を回収しないといけないぐらいだ。

だがそれも、大黒柱となりうる程の事では無い。自分がそう感じているだけなのか。

とすれば、問題は感受性か。そんな事を考えている。

 

 

 

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オタクの中で地の名物とされている店は、呑気に靴を買っていたら終わっていた。

時間ぐらい調べろよと言われるかもしれないが、半分寝ているような状態のためそこまで頭は回っていない。

 

特に食欲も湧かないし、旅行中特有の野菜不足を早めに補うために今日はコンビニでサラダでも買おう。

 

地のものは...

そうだな、また来よう